2007年10月28日

「目付け」について

「目付け」とは何か。これを一言でいえば「相手の意図と動向を読み取る視線の置き方」と言い表わせるでしょう。

tora.jpg
(動物園写真館さんのブログから)
http://keitaka.exblog.jp/143187/

これがいかに重要なのかという、卑近な例を挙げてみます。

車の運転をする場合、初心者は前方の一点を見つめて運転をしがちですよね。そのため、側面や後ろの情報を見落として重大な事故を引き起こすこともあります。

これに対してベテランドライバーは、絶えずサイドミラーやバックミラーにも視線を向けて、周囲の情報を読み取っています。そのため、急な飛び出しにも、素早く対応し危険の回避がうまくできるのです。


目付けも歩法とおなじく、武道や流派でさまざまな方法が伝承されています。ボクシングや剣道のように顔に視点を置くものも多いようですね。

変水流では、視点を喉仏より下あたりに置いています。何故かといえば、剣道など主に上から攻撃がくる武道と違って、護身術では下から来るナイフや蹴りなどにも対処するため、それらを視野におさめる必要があるからです。

(人間の視野は、ハイビジョンテレビの画面のように、見ることのできる上下の間隔が狭いため、相手の顔に視点を置くと下からの攻撃に対する反応が遅れがちになりやすいのです)

では、喉仏を凝視すればいいのかというと、そうではありません。車の運転のようにそこを基点にして、目配りをすることも必要です。

それ以上に重要なポイントは、喉元に視点を置きながらも、遠くの山を見るように、ボーッと相手の体全体を視野に入れておく事が肝腎なのです。

視野の一隅で捕えた、相手の動きの意図(蹴ってくるのか、殴ってくるのか等)を素早く察知し、反撃につなげることが目付けの役割だと思ってください。


これに慣れると、暴漢の動きを見ながら、視野の一角で逃げ道や反撃に使える道端の棒切れなどを見つけることも可能です。


以上の説明では分かりにくい点が多々あることだと思いますから、補足説明を、戦う事については私と比べ物にならないぐらい強い、百戦錬磨の大先輩にお願いしておきます。

musashi.jpg
(宮本武蔵)

以下、五輪の書(宮本武蔵)より引用

「目を付けると云う所、昔は色々在るなれ共、今伝ふ所の目付けは、大体顔に付くるなり、目のおさめ様は、常の目よりも少し細様にしてうらやかに見るなり、目の玉を動かさず敵合近く共、いか程も遠く見る目なり、其の目にて見れば、敵のわざは申すに及ばず両脇まで、見ゆるなり。観見二つの見様、観の目つよく、見の目弱く見るべし、若しまた敵に知らすると云う目あり、意は目に付き、心は付かざるものなり、能々吟味有すべし」


posted by かたばみ at 12:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 護身術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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